zellige(ゼリージュ; タイル)+ 絨毯 = ゼリージュウタン
天然/草木染めの羊毛+手織りで奏でる、色と紋様の無限のつらなり。
「ゼリージュ」と呼ばれるモロッコのタイルに、日本語の言葉を重ね合わせて「ゼリージュウタン」と名付けたスムスムのじゅうたんは、文字通り、組み合わせでお愉しみいただくウールのタイル。
モチーフは、モロッコの旧市街の片隅でよく見かける前衛的な幾何学模様「キュービック」。
昔ながらのゼリージュの素朴で、かつ今なお斬新なデザインやモチーフを、独自の色コンビネーションでじゅうたんに落とし込みました。
それぞれの人生の中で、家族のために食事を作り、家を磨く。その日常の中でひとときの許された時間にだけ、じゅうたんのために手を動かす女性たち。
ゼリージュウタンは、そんな彼女たちの「幸せな時間」の中で織り上げられます。
プロジェクト・ディレクターであり、スムスムの大切なパートナーであるヒシャム氏は、織り子たちにいつも言い続けているのだそうです。
「体調の悪い日、気持ちが晴れない日は決して織らないこと。幸せだと感じられる日にだけ織ってください。」
彼のこの方針を聞いた時に胸を打たれ、このチームと一緒に何かしたいと強く思いました。マラケシュのスークの業者たちが失いかけている「心」だと感じたのです。
まずはカサブランカを拠点とするヒシャム氏が車を走らせアトラスを越えて、生まれ育った南部地方で上質なウールを買い付けるところから始まります。
ゼリージュウタンの素材は、モロッコ南部 オート・アトラスの大自然の中で自由にのびのびと育った、この地域にしか生息しない毛並みの良い羊たちの高級羊毛を100%使用しています。
そのウールを、故郷の親友が南部の地で染めます。もともとは蜂蜜農家のホセイン氏。母国モロッコの伝統の保存・継承へのヒシャム氏の熱意に動かされて、植物染めを一から学び体得したと言います。
色鮮やかな色彩が美しいじゅうたんで有名なタズナフトにほど近いこの地には、幸い師事すべき染め職人が残っていたのです。
朱は茜の根っこから、藍はインディゴ、カナリヤイエローは木犀草。ピスタチオは藍と木犀草の二度染め。
茶色はベルベル語でTakboutという木の皮で染められます。アラビア語の名前もフランス語もわからない木が出す色は、雄大な南部の大地を感じさせます。
ベースとなる染め技術がまずあり、あとは温度や時間調整で濃淡のグラデーションを出します。紫のみ調合が明かされていない、魔術師秘伝のレシピによるマジカル・カラー。
次はチーム・デザイナーのアブデルジャリル氏による織り図の製作。スムスムによるラフなデザイン画を、緻密な織り図として忠実に起こしてもらいます。
そして、本来は自身のイマジネーションを駆使してアドリブで織ることの方が得意なモロッコ女性たちが、織り図の通りに織り上げてくれます。
使い始めは糸の断面が目立ちますが、使い込むほどに糸の撚りがほつれ、経年とともに風合いが増していきます。時を経るほどに手放しがたい1枚になるはずです。
(糸がほつれた風合いの方が好みの方は、ブラッシングをしていただくことで糸の切り口が開いて艶も増しますので、お試しください。)
サイズは、Zabouton, Tatami(Ichijo/Hanjo), Genkanと、日本の生活様式を意識した展開です。
〈zabouton〉は、床に敷いて座布団としても、また椅子やソファの座面に敷いてお使いいただいても。
セミオーダーによるご注文も随時お受けしております。詳しくはメールにてご説明いたしますので、ご希望の方はこちらからお気軽にご相談くださいませ。
どうか、ウールのタイルがみなさまの生活の一部に溶け込みますように。
✴︎まぼろしの紫✴︎
紫という色は、日本でも古来から高貴な色として珍重されてきました。
ゼリージュウタンの「紫」を染められる染色職人は、モロッコでたったひとり。どんな植物の調合で紫を表現するのかは、この“色の魔術師”のみ知る秘伝のレシピです。
✴︎ノット(結び目)✴︎
40/68はノット数を示しています。1㎡にそれぞれ40,000個、67,600個の結び目があることを意味します。
しなやかな風合いがお好きな方には40を、より弾力性が高い方がお好きな方には68をお勧めいたします。
ゼリージュウタン・ボタニカル40 zabouton〈キュービック/ベージュ×紫×赤〉
本体
- 縦/44cm 横/44cm
タッセル
- 本体全長 /約7cm
サイズは目安となります。おおらかな国の手仕事の品のため±2,3cmほどの個体差がございます。
縦と横の長さが若干異なり正方形になっていないものや、最長で一片が48cmくらいのものも見受けられます。
何卒ご了承くださいませ。